†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「…」
久しぶりに触れる絵。
自分の家に、絵を飾る部屋が
わざわざあるのは…
小さい頃私が造ってほしいと、
「一生のお願いだから」と言って
この部屋は設立された。
6年前のあの日以来、
私はずっと目を覚まさない少女を例えて
“Eternal grief”を描いていた。
直訳で『永遠の深い悲しみ』
何も出来ない少女の苦しみを
私は神が少女への罰だと思っている。
この絵を見るだけで胸が苦しくて…
どうして描いたのかも分からない。
恵は絵にそっと触れ、
肌で感じ取る。
冷たい絵は、しっかりと
体に染み付いた。
『ごめんなさい――…』