†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
5月上旬。
最近燐は悩まされていた。
「佐伯先生、ここ教えてください!」
「佐伯先生は何処の
大学だったんですかー?」
朝から麻耶の勢いは
止まることを知らなかった。
休み時間、数学の授業中。
優介に会える時はずっと喋っていた。
それを見ていた燐は
無関係でも何故か苛立ってくる。
すべては恵を考えて。
そして昼休み。
疲れきった燐は一人
中庭でお弁当を食べる。