†君、男~Memory.. limit of grief~
「あっめぐちゃんお帰り。
何処行ってたの?」
「その辺で寝てた」
椅子に座り、優介から
預かった書類に目を通す。
「そういえば燐は?」恵の質問に
万里は「しんどみたいだから帰ったよ」と答えた。
そうか…と少し寂しそうに言い、
ペンを取り出し別の紙に
メモを取り始めた。
“なら今度の日曜日
俺がいいとこ連れてってやるよ”
恵は動きを止め、
窓の方向に顔を向け空を眺めた。
朝の太陽は好き。
夕方の太陽は嫌い。
朝じゃないと、見つけられないの…
貴方の事が分からないの…
見つけたいから、影は必要ない。