†君、男~Memory.. limit of grief~








「レイン、パン買いにいこ」


「うん、ちょっと待って」


午前の授業も終わり、
それぞれ昼食をとり始める。
二人は財布を手に、食堂に向かった。



「あっレイン!」


突然後ろから飛びついてきたのは朱音だ。


「久しぶりでね!
 元気してた?
 体育祭まで後1週間だねー」


「まーね。朱音は相変わらずだな」


未だに恵を話そうとしない朱音に
結菜は無理やり離した。


「ところで朱音は何で
 こんなとこにいるんだよ。
 食堂に来たんじゃないんだろ?」


「あっそうそう!職員室に行こうと思ってたの。
 佐伯先生にプリント渡しにね」


無意識のうちに恵は
朱音から目を逸らした。


恵のクラスの数学担当は
優介じゃないからだ。


更に最近あまり喋っていないため、
心が痛むことも少々あったようだ。



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