†君、男~Memory.. limit of grief~
「こんなとこで何してるんだ」
「佐伯先生に用事があって!」
屋上に行くための階段に
座っていたのは麻耶だった。
お弁当を手に持ち
「屋上で食べませんか?」と屋上を指して言う。
「あのなー…北瀬、俺は…」
「この間私が言った事
気になりませんか?」
「!」
そう言って麻耶は
一枚の写真を取り出し
それを優介に見せる。
その写真は驚き入るものだった。
「 」
「あまり私には時間がないんです。
…この意味、分かりますよね?」
「…ッ」
優介は黙って麻耶と
屋上に入っていってしまった。
入る瞬間にやってきた恵…。
二人が入るところは
目に焼き付けられていた。
優兄――――……
「…ッ!」
歯をかみ締め恵は
その場から逃げるように急いで走っていく。
貴方が、今までよりもずっと
早く遠く行ってしまう気がする―――
こんなにも私は弱かった?
こんなにも―――…