†君、男~Memory.. limit of grief~




「こんなとこで何してるんだ」


「佐伯先生に用事があって!」


屋上に行くための階段に
座っていたのは麻耶だった。
お弁当を手に持ち


「屋上で食べませんか?」と屋上を指して言う。


「あのなー…北瀬、俺は…」



「この間私が言った事
 気になりませんか?」


「!」


そう言って麻耶は
一枚の写真を取り出し
それを優介に見せる。


その写真は驚き入るものだった。



「       」


「あまり私には時間がないんです。
 …この意味、分かりますよね?」


「…ッ」


優介は黙って麻耶と
屋上に入っていってしまった。


入る瞬間にやってきた恵…。
二人が入るところは
目に焼き付けられていた。




優兄――――……




「…ッ!」


歯をかみ締め恵は
その場から逃げるように急いで走っていく。




貴方が、今までよりもずっと
早く遠く行ってしまう気がする―――



こんなにも私は弱かった?



こんなにも―――…


< 174 / 482 >

この作品をシェア

pagetop