†君、男~Memory.. limit of grief~


レイン――――…



そう俺は君に名づけた。



日本語で言えば“雨”だ。



決して悪い意味じゃない。
けれど雨に住むレインは、
きっと孤独だっただろう。


呼び叫ぶその声に
俺は答えなかったから…。



もう…失いたくなかったんだ。



やっとレインは心を
開こうとしていたのに―――




あの時の俺は、冷静を保つ事なんて
無に等しかった――…。



ごめんレイン…ごめん―――



何度謝ったところで
取り返しがつかないことぐらい
分かってはいる。


それでもレインには、
夕日が嫌いだとは言ってほしくなかった。


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