†君、男~Memory.. limit of grief~
「後、一つで終わりかー…。
 日陰に行かなくても大丈夫?」


「平気だ、どうせ後一つだろ?」


結菜は恵を心配して言うが
それを拒否する。
恵の顔色からして
無理してるとしか思えないものだった。


黙って結菜は競技を見ることにした。




「悪い結菜。
 生徒会の方で先に行ってる」


「分かった」


お茶を少し口に含み、
恵は席を立って生徒会の方に向かった。



「入谷さん!」


「あっ…えーっと安井さん?」


恵が行ってから数分後、
燐が慌ててやってきた。


「レインはもう行った?」


「うん、何分か前に」


「そっか、ありがと。
 私もいこ」


そう言って燐は結菜に
手を振って走っていく。


結菜はその後姿を見て
クスッと笑う。


「何か似てるなー」と呟きながら。



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