†君、男~Memory.. limit of grief~
夏休み直前!
貴方の事、私何も知らなかった。
これからも知らなくていいのかな…
「…レイン、起きろ」
「…ッ」
体を揺さぶられ、
恵は目を擦りながら起き上がる。
ふと時計を見ると時刻は
8時を回っていた。
「えっ!何で…」
呆然となる恵の横に立っていたのは優介。
ため息をつくなり不機嫌そうだった。
「俺がいなかったら
ずっと寝てただろ」
「少し残ってた仕事を
終わらそうと思ってたんだ。
…いつの間にか寝ていたんだな。
あっ打ち上げは終わったのか?」
「7時半ぐらいに終わった。
他の先生はもうほとんど帰っててな、
俺も帰ろうとした時に
管理人さんが生徒会室の電気が
ついてるって事を教えてくれて来たら…」
その後は言わず、恵を睨む。
思わず目を逸らしてしまう。
恵は荷物を鞄に詰め込み、
さっさと帰ろうとした。その矢先…