†君、男~Memory.. limit of grief~
「打ち上げは、楽しかった?」
「ん?あぁそりゃーな」
助手席に座る恵。
鞄を横に置き、寂しそうに口走る。
「北瀬さんと…何か話した?」
「打ち上げでか?多少は喋るけど、
前も言ったように俺は――…」
「屋上での事を聞いてるの」
「 」
優介は車を止め、
恵の方を向いて「どうしてそれを…」と
慎重に訊く。
恵は横を向いて答えた。
「着いたら起こして…」
優介は話を続けようと
恵を起こそうとしたが
それを押さえ、再び車は動き出す。