†君、男~Memory.. limit of grief~





「今日で先輩方とお別れかー…」


「…」







7月中旬。
終業式を前に生徒会の先輩方が
退任することになった。


燐と学校に行く途中でその話になり、
二人はここ1年について深く話をしていた。


燐にとっては時が
立つのは怖いらしい。
それだけ何かを失ってると、
そう感じてしまうからだそうだ。


恵はその言葉に共感する。


時が立つごとに得る物と
失う物の差は大きいかもしれない。
どちらが自分にとって幸せなのか…
人それぞれだろうが、恵は
失う事の方が多いと言う。


それが現実なのだろうか…。




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