†君、男~Memory.. limit of grief~





「蒼井、ちょっといいか?」


終業式の日。
生徒会の集まりもなかった恵は
帰ろうと門を出た時だった。
優介によって止められる。



「夏休みに集まる件だが、
 泊まりになるっていうのを
 言い忘れてた」


「泊まり?」


「そう泊まり。2学期からは
 お前達が中心になって
 活動することになるから
 予算を立てたり今後の活動について
 大まかに話し合いをする」


「それぐらいなら1日にで終わるだろ」


恵は優介は睨みつける。
優介は眉間にしわを寄せて言う。


「それが一日じゃ終わらないんだ。
 過去に1日で終わったことがない」


「そんなに忙しいのか?」


「まーなー…口では説明出来ないほど」


遠い目をする優介。
これは相当忙しいようだ。


恵は右手を腰に当て、
不適な笑みを浮かべた。


「めんどくさい事は嫌いだ。
 早く終わらせて帰る」


「じゃ―…頑張ったら
 良いモノ見せてやるよ」


「良いモノ?」


首をかしげる恵。
その様子に優介は目を丸くする。


「じゃー…8月15日」


話をまとめて終わらせる優介。
そそくさと職員室の方に向かっていく。
「何だあいつ」と口にし再び歩き出した。





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