†君、男~Memory.. limit of grief~
北海道旅行3日目を迎えていた
恵達はこの日、富良野の方に来ていた。
「めぐちゃん見て!
あの夕日すごい綺麗よ」
「 」
時刻は5時前。
夕方の空に見えたのは広い空に
広がる見たことのない色の組み合わせだった。
自然が生み出した美しさだ。
「綺麗――……!」
ハッと口を押さえる恵。
夕日から目を逸らす。
また夕日を見て“綺麗”と
口にしてしまった。
嫌いなはずなのに…。