†君、男~Memory.. limit of grief~
あの時とも…
初めて優兄が私を屋上に
連れて行った日、
美麗なるその場所で私は今と同じ言葉を発言した。
“空を見て、夕日を見て綺麗だと言った。
何も変わってないなんてことはない”
本当にそうなの…?
私は変わったの?
けどね、私は今も嫌いよ。
空も雨もレインも――…
全部私を支配するものなんだから。
でも――――…
変わったのかもしれない。
夕日が私に微笑みかけてくるようなの。
私は貴方を憎んでるのに。
貴方は私をいつも見てくる…
どんなに離れても―――…ッ
『めぐみ―――…』
「 !?」
突然苦しみだす恵。
その場に倒れこんだ。
慌てて駆け寄ってくる両親。
苦しみが和らいできた恵の呼吸は乱れていた。