†君、男~Memory.. limit of grief~
あの時と同じ――…
絵に触れたあの時も
誰かの声が聞こえた。
誰…誰なの――…?
「っ…!」
今度は耳鳴りが起き始める。
恵は耳を押さえ頭を地面に押し付ける。
「めぐちゃん!大丈夫!?」
やっとのおもいで治まった頃
目の前がぼやける。
立ち上がろうとした恵は一瞬体がふらつく。
それを父親は支え、ゆっくりと歩き出した。
「…ッ」
貴方は誰―――…?