†君、男~Memory.. limit of grief~

生徒会-雨のビジョン-



北海道旅行最終日。
不運な事に雨だった。


まだ最終日なだけよかったものの、
それでも恵の表情は暗かった。


帰りの飛行機の中では
ずっと空を眺めている。
電源のはいっていない携帯を握り締めながら。




「やっと家に着いたわね」


荷物をドカッと玄関に置き一息つく。
恵は荷物を置くなり公園へと向かった。


ベンチに座り
静かなこの場所でため息をつく。
携帯の電源をいれ、メールが来ていないか
チェックするが受信件数は0件だった。


空を眺め、今にも雨が降りそうな
雲を見つめる。



ブーブー…


「…?」


携帯のバイブが鳴る。
画面には着信優兄と表示されていた。


「優兄…?」



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