†君、男~Memory.. limit of grief~








「りーんちゃん!
 ちょっと教えてほしいとこがあるんだけど」


「あっ…うん。どこ?」


理科の授業が終わった後の休み時間。
麻耶はノートを持って燐のところへやってきた。
ニコニコしながらノートを見せる。


「何かいいことでもあったの?
 凄い嬉しそうにしてる…」


目を逸らしながら訊く燐。
麻耶は少し声を高くして言う。


「何にもないよー。
 あっ!そういえば最近
 蒼井さん元気にしてる?
 この間見かけた時なんか
 くらーい表情してたから」


「別に普通だと思うけど」


動揺しながらも燐は答えた。
麻耶はニヤッと笑う。


「蒼井さんの事、
 何でも知ってるんだね…燐ちゃんは」




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