†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「りーんちゃん!
ちょっと教えてほしいとこがあるんだけど」
「あっ…うん。どこ?」
理科の授業が終わった後の休み時間。
麻耶はノートを持って燐のところへやってきた。
ニコニコしながらノートを見せる。
「何かいいことでもあったの?
凄い嬉しそうにしてる…」
目を逸らしながら訊く燐。
麻耶は少し声を高くして言う。
「何にもないよー。
あっ!そういえば最近
蒼井さん元気にしてる?
この間見かけた時なんか
くらーい表情してたから」
「別に普通だと思うけど」
動揺しながらも燐は答えた。
麻耶はニヤッと笑う。
「蒼井さんの事、
何でも知ってるんだね…燐ちゃんは」