†君、男~Memory.. limit of grief~
「え?」
麻耶と目が合う。
麻耶は不適な笑みを浮かべた。
「でも一つぐらい分からない事も
あるんじゃないの?」
「…何が言いたいの?」
険しい表情になる燐。
得意顔で笑う麻耶に燐は
だんだん苛立ってきていた。
「貴方も知らない事…
蒼井さんは持ってると思うよ」
「そんなの…人に言えないことぐらい
誰だって持ってるに決まってるじゃん」
「その秘密、私が知ってたら?」
「は?それどういう…」
燐の言葉を遮ってチャイムが鳴り響く。
麻耶はニコッと笑い
自分の席に戻っていった。
燐の頭の中で不安が過ぎった。