†君、男~Memory.. limit of grief~







「レイン写真撮ろうよ!」


結菜は手招きをして恵を呼ぶ。


水那高校修学旅行。
着いた場所はブリスベンだった。



「にしてもやっぱ
 日本とは大違いだよね」


「うん」


団体の行動の中恵は浮かない様子。
先日燐との会話でどうも
ぎこちなくなってしまったのだ。


結菜は何も言わなかった。
それしか出来なかったのだ…。


「レイン、自由行動の時
 何処か見たいとこある?」


「ん――…」


パンフレットに目を通し
何処か良い場所がないか探す。
そんな時横から恵にとって
目障りな声が聞こえてきた。


「佐伯先生、一緒に回りましょうよ」


「…」


見たくなくても目に入ってくる存在。
麻耶は優介の服を引っ張りながら
まっすぐ指を指していた。


恵はその場所を後にして
燐の所へと向かっていった。




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