†君、男~Memory.. limit of grief~
「燐…ちょっと話があるんだけど」
「…ッうん」
追いかけた結菜はその光景を見て
別のところへと行ってしまう。
その場所にいてはいけないと察知したからだろう。
そんな様子をたまたま見かけた朱音は
結菜を追いかけた。
恵と燐も輪から少し離れた場所に行き、
静かさその場所で口を開く
「私には…無理なのかもしれない。
あの二人を見るのはもう嫌だ。
いっその事、私が離れれば…」
「駄目だよ!」
燐は歯をかみ締め
わなわなと身をふるわせる。
恵は目を丸くした。
「本当に好きだからそういうこと言うんでしょ?
体だけここに置いて、心だけ離れてくつもり?
私言ったじゃんか。
ずっと想ってきた気持ちは
簡単に壊しちゃいけないって!
少しでも可能性あるなら頑張ろうよ」
「燐――…」
燐は優しく微笑み
恵の手をそっと掴む。
「あんな女にレインが
負けるわけないじゃん!」
「ありがと…」
どうしていつも逃げる私を、
燐は止めてくれるの――…?
あんな事言ったのに…。