†君、男~Memory.. limit of grief~
突然会話に割り込んできた燐。
その場の空気は一変した。
優介はため息をついて燐を見る。
焦った燐は何度も謝った。
恵は顔色一つ変えず燐のところへ向かう。
「行くぞ」と一言言って
ホテルの中へと入っていった。
燐も後を追いかける。
残された優介は再び夜空に目を向けた。
「どこまでタイミングの
悪いやつだよ…」
まぁその御陰で
言わずにすんだんだけど…。
「…星?」
キラリと輝く星。
よく見ればいろんなとこで輝いていた。
過去に俺は一度も自分の
好きなタイプを言った事はない…
言いたくないだけだろう。
月や星のように輝けたら
堂々と言えるんだろうな――…
こんなこと考えるのは何年ぶりだろうか…