†君、男~Memory.. limit of grief~



「じゃおやすみー」


部屋の明かりが消え
静かに眠りに入っていった。


恵は横になるものの
寝れないままでいた。
ただボーっと窓の方を向いていた。




結局、優兄の好きなタイプを
聞くことはなかった…。


けど、知らなくてもよかったかもしれない。


少しずつそれが優兄の
過去に近づいていくのなら尚更…



知らず知らずのうちに
近づいているかもしれないのに――



恵は目を閉じ、
いつしか夢の中へと入っていった。




『めぐみ、ごめんなさい…ごめんなさい…!
 いつか必ず―――…』



「!!」


突然目が覚めた恵は
勢いよく起き上がる。
汗をかいていた。


「今度は夢にまで…」


一体誰?
どうして私の中にいるの…


何が目的?
それに、あの声―――



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