†君、男~Memory.. limit of grief~



校内祭3日前を迎えた生徒会室は
以外にも静かであった。
今日はそれぞれ自分の持ち場についていたため、
生徒会室に残っていたのは恵と優介の二人だけ。
ミニライブの時の照明のチェックなどをしていた。


「後3日か…早いな。
 …レイン、顔赤くないか?」


「別になんともない。
 …それより優兄」


「ん?」


今日は10月25日。
そう…優介の誕生日だ。
恵は誕生日プレゼントを渡そうと
鞄から取り出した瞬間。


大きい音を立てて扉が開く。


「佐伯先生!ちょっと教室来てください。
 問題発生です」


「えっ!?」


息を荒くして来たのは麻耶。
6組である麻耶の担任は優介。


麻耶は優介の腕をひっぱり
生徒会室から出て行く。
パタパタと聞こえる足音は
どんどん遠くなっていった。


それは恵の意識も遠くなっている音でもあった。


「しんどい…ッ」


先ほど優介に「顔赤くないか?」と
聞かれた時恵は少し驚いていた。


今朝熱を測ったとき37度だったからだ。
文化祭前だけにあって休めないため
無理に学校に来ていたが
やはりしんどさには勝てなかった。


恵はトイレに行こうと立ち上がる。
それもつかのま、バランスを崩し
恵はその場に倒れてしまった。


起き上がる力もなく、
恵はそのまま眠りに入っていった…。





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