†君、男~Memory.. limit of grief~
その日の夜、麻耶はある部屋を訪れていた。
「精一さん…
本当に明日行くんですね?」
「あぁ…もう決意した事なんだ。
麻耶ちゃん、ありがとう」
麻耶は黙って部屋から出て行く。
その部屋には大きな別途が一つ。
女性が眠っていて、
女性の周りには枯れた薔薇がおかれていた。
精一と名乗るその人は
別途の上に座り女性の手をそっと掴む。
「明日、恵に会ってくる。
あの子の今の心情を
素直に受け止めるつもりだ。
だから、早く目を覚ましてくれ
レイン―――――…」