†君、男~Memory.. limit of grief~



「いらっしゃいませー!」



「一つ食べていきませんかー?」



日曜日。それは文化祭一般祭の日だ。


昨日の校内祭も無事に終わり、
生徒会のライブも去年以上に素晴らしいモノになり
生徒は満足した表情を浮かべていた。


午前中受付を担当していたのは
恵と燐、真二の3人。
他の人達は見回りや食べ物を買ってきたりなど
生徒会役員もそれぞれの時間を過ごしていた。



「レイン、一足先に休んできたら?
 佐伯先生さっき一人だったよ」


小声で言いウインクをする。
しかし恵はその行為を断った。


「さっき北瀬さんと歩いているとこを見たんだ。
 私にあの二人の中に入っていくのは少し抵抗がある」


「…うー」


ふてくされる燐。
恵は冷めた様子だった。


時間を確認するなり一人何処かへ行ってしまう。
止めようとした燐だが何も言わず恵が見えなくなった後
真二に受付を任せ恵とは逆の方向に走っていった。



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