†君、男~Memory.. limit of grief~
「佐伯先生!!」
麻耶に引っ付かれていた優介。
麻耶は店で買ったたこ焼きを手に
燐が来た事に不満を抱いていた。
「どうした?」
「あっえっと…レインが探してましたよ。
何か結構急いでました」
「そうか…で、今何処にいる?」
「それがレインも探しに行っちゃって、
何処にいるか分からないんです」
しょぼくれる燐。
優介は何か思いついたように頷き
「探してくる」とだけ行ってその場から離れていった。
残った二人は動かずにいた。
麻耶は目の色を変え燐に文句を言い始めた。
「せっかく佐伯先生と一緒に
回ってたって言うのに…
何で邪魔するの?」
「私の勝手でしょ!」
食って掛かる燐。
そんな燐に動じることなく
少し目を細める。
「今日はなるべく
会わせたくなかったのに…」
「え?」
疑問を抱く燐。
しかし麻耶は燐を睨んで
別のところへと行ってしまった。
燐は目を見開いたまま立ちすくんでいた。