†君、男~Memory.. limit of grief~







「これでひと段落だな…」


ふぅ…とため息をつき
プリントをまとめる。


騒がしかった一般祭も終わり
生徒会室には恵と優介の
二人が書類のまとめをしていた。


他の人達は片付けに行っている。



仕事を終えた恵は
頬杖をついてうつらうつらと眠そうだ。


文化祭の準備であまり寝ていなかった恵。
その上つい最近風邪を引いたとなれば
疲れないわけがない。


優介もその姿を見て心配そうにしていた。



「今日はもう帰ったら?
 すごい疲れたまってそうだし」


「うん…」


閉じかけの目を起こし、
荷物をまとめる。


じゃぁ、と言って立ち上がろうとした時
立ちくらみが起こったのか恵は後ろに倒れる。


「レイン!」


間一髪で恵を支えた優介。
体を起こし、恵は窓付近の壁にもたれる。


「ホントに大丈夫か?
 風邪がぶり返してるかもしれない」


「平気だ…」


よろめきながらも恵は歩き出す。
不安だった優介は門まで恵を
送っていく事にした。


扉にさしかかろうとした時、
さきに扉が開く。


そこには見知らぬ男性が立っていた。


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