†君、男~Memory.. limit of grief~

16年目の真実-レインのティア-

恵は持っていた鞄を落とす。
目を見開いたままゆっくりと
その男性の方に体を向けた。


「私の父親…?
 じゃぁ…あの女の――」


「そうだ。恵の母親、
 レインの夫だよ」


「       」



私を支配するレイン―――…



「いまさら言うのはとても
 失礼な事だと思う。
 けれど、レイン…母さんに
 会ってはくれないか?」


「―――…」




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