†君、男~Memory.. limit of grief~
「お名前…伺ってもいいですか?」
その頃生徒会室で
立ち止まったままの燐達。
どうすることも出来ない状況に言葉が詰まる。
「宮原精一。
君は恵の友達かい?」
「あっはい、安井燐と言います。
で、こちらが――…」
燐が朱鷺と慎を紹介しようとした時だ、
後ろから麻耶が血相を変えて走ってきた。
「精一さん!
さっき蒼井さん達が…」
「分かってる。
今日は一旦帰るよ。
安井さん…だったね?
また後日伺うと、恵に
伝えておいてくれないか?」
「あっはい、分かりました」
礼をして精一は出て行った
麻耶は燐を睨む。
「だから言ったでしょ。
今日はなるべく会わせたくなかったって」
吐き捨てるそう言って
麻耶は精一の後についていった。
「一体何なんだ…今の」
3人は状況が把握できないまま
その場から動く事が出来なかった。