†君、男~Memory.. limit of grief~








当時16歳だった俺に、
突然親から子供の面倒を見てほしいと言われた。


正直言ってやる気なんて全然なかった。
勉強も遊びも、全てにおいて充実させたかった時に
横から邪魔をされたくなかったから…。


けれど、その子の事情…施設の子だと
知った時、俺の考えは一変した。



初めて会った時のその子の目は
心を打ち付けられるような強い目だった。


でも本当は強く行こうと思った弱い心の
現われだったことを知った時
俺の考えは再び変わった。


純粋な色を持つこんな子が、
どれほど今までに辛い事を経験したのか…
考えただけで痛々しかった。


守ろう。そう思ってた。


ただ…それは時が経つにつれて
だんだん気持ちが揺らいできたんだ。


レインが大人になるにつれて
俺から離れていく、そんな事を
考えれば考えるほど俺自信、
自分から離れていこうと思い始めてた。



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