†君、男~Memory.. limit of grief~




「じゃぁ俺は学校行かないと
 いけないから、大人しくしとけよ」


「うん」


次の日、優介は学校に行った。
恵達は代休だったが、先生達は
文化祭が終わってその話し合いがあるらしいのだ。


恵は昨日からずっと
別途で寝ていた。
熱も大分下がってはいるものの
まだ頭はクラクラしている。


快晴の空…。
恵はそれを見て、何かを決意した。



私がいつも立ち止まってるから
みんなが苦しんできたんだ。



優兄が引っ越す前に
あの女は倒れたと言っていた。


それが本当なら、私が描き続けた
目を覚まさない少女を例えて
“Eternal grief”と重なる。


目を覚まさない少女を例えて
“Eternal grief”を描いていた。


私はこの目で確かめる。
あの女が本当に私を想って、
私を探していたのかを…。


あの女の罪も―――…




優兄…


貴方は何も悪くない。
だから自分を責めないで。


貴方を守る。


だから傍を離れる時間を、
私に下さい――――…。



恵は別途から出て、
服を着替えた後外へと
駆け出していった…。





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