†君、男~Memory.. limit of grief~



「         」


別途上で眠る一人の女性。
その周りに置かれた枯れた薔薇。


あの絵と同じだ。
そう恵は刹那にして思った。


“Eternal grief”
目を覚ます事のない皮肉な絵。
裏切りによって枯れた薔薇…。


以前恵がこの絵に触れた時
聞いた声は、全て恵の母、レインの声だったのだ。


恵は1歩1歩近づき
レインの前に立った時手を振り上げる。


「恵!」


精一は止めようと駆けつけたが、
その前に恵は手を下ろししゃがみ込んだ。


「どうして…どうしてこんなこと…!」



私はずっとこの人を憎んでた。
私を捨てた、もっとも罰せられるべき人物だったから。


けれどもうずっと前から
罪を償ってたんだ…。
この眠っている数年もの間ずっと。


泣き続けて…
私に呼びかけてたんだ―――



私が罪を持ったから
眠ってしまったの…?





自分のせいだって思わないでよ――…




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