†君、男~Memory.. limit of grief~
『レインは…私達と親友だよね?』
『レインの悩み、安井さんは
分かってるのに私達は知らないことが
すごい寂しかった…!』
『今は私…レインと話せないよ――…』
あの後朱音はその場から去っていった。
結菜もその後朱音を追っていった…。
恵はただ一言、「ごめん」と言う言葉を聞いて
まるで全身の力が抜けたかのように
ベンチに座った。
知らなかった――…
朱音がそんなこと考えていたなんて。
私が、気づかなかったせいだ…。
そうやって孤独を選んでる
自分がいるから、弱さだけで何もない。
「お困りですか、蒼井さん?」
恵の前に誰か影が現れる。
恵は顔を上げて、そこにいたのは…