†君、男~Memory.. limit of grief~







「朱音、結菜」


次の日の学校。10月最後の日。
朝早くから教室の前で
二人が来るのを待っていた恵。


一緒に登校して来た朱音と結菜は
恵がいたことに戸惑いを隠せなかった。


「…話がある」


朱音と結菜は顔を見合わせ、
少し拒んだが恵の後についていった。


向かった先は中庭。
恵は話し始める。


「私が…自分の事を話さなかったのは、
 怖かったからなんだ。
 私の事知って離れていくんではないかって…」


「どうして?私等がレインから
 離れていくわけないじゃん!」


結菜は言う。横にいた朱音も続けて言う。


「そうだよ!それを受け止めてこそ
 本当の友達だよ?
 私等は力になりたいの…。
 少しでもレインの役に立ちたいだけなの」


「…うん」


恵は目を瞑り、全てを話し始めた。
燐達に言ったのと全く同じ事を。



「…ッ」

全てを話し終えた時
朱音の目からは涙が何粒も
零れ落ちていた。


「そんなことがあったなんて…!」


「      」


朱音は恵に飛びつく。


「辛かったよね?苦しかったよね…!
 でももう安心して。
 ゆっくり休んでいいんだよ?」


「…ッ」




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