†君、男~Memory.. limit of grief~







「優介君は元気にしてる?」


「えっあっ…うん、まぁ」


11月も半ばになり、恵はこの日
(実の親がいる)宮原家を訪れていた。


レイン(母親)の部屋で紅茶を飲みながら
くつろぐ恵。しかし部屋の広さは身を縮ませていた。


「水那高校で教師しているのよね?
 お父さんから聞いたの」


「うん、数学の担当。
 生徒会の取り締まりもね」


恵はそう言って紅茶を全て飲むと
嬉しそうに微笑むレインの姿が
目に映った。恵は訊く。


「何?」


「ううん。何か恵がすごい
 安らいだ表情をしてるなと思って」


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