†君、男~Memory.. limit of grief~








「えっ!先生と食事!?」


「うん…」


12月24日クリスマスイブ。
生徒会の仕事で朝学校に来ていた2年生。
校舎を歩いていた恵と燐。
恵から今日の事を聞いて悲鳴を上げていた。


「えっマジで?」


「だからそうだって。
 7時に桜中央駅に―…」


燐は恵が言い終わる前に
肩を掴み大きく揺らす。
やめろ!と恵は怒鳴ってその手を振りほどいた。


「すごいすごい!
 だって言わばデートでしょ?
 しかも桜中央駅ってかなり遠いじゃん」


「…デート…?そうなの?」


「えっそうでしょ?」


沈黙が流れる。二人とも悩んでいた。


「(だって佐伯先生の方から誘ったんでしょ…?
 あっ!もしやレインって意外にも鈍感だったりして…)」


「どうかしたか?」


「ううん、何でもない!」


首を振り我に返る燐。
心の中でため息をついた。




< 279 / 482 >

この作品をシェア

pagetop