†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「えっ!先生と食事!?」
「うん…」
12月24日クリスマスイブ。
生徒会の仕事で朝学校に来ていた2年生。
校舎を歩いていた恵と燐。
恵から今日の事を聞いて悲鳴を上げていた。
「えっマジで?」
「だからそうだって。
7時に桜中央駅に―…」
燐は恵が言い終わる前に
肩を掴み大きく揺らす。
やめろ!と恵は怒鳴ってその手を振りほどいた。
「すごいすごい!
だって言わばデートでしょ?
しかも桜中央駅ってかなり遠いじゃん」
「…デート…?そうなの?」
「えっそうでしょ?」
沈黙が流れる。二人とも悩んでいた。
「(だって佐伯先生の方から誘ったんでしょ…?
あっ!もしやレインって意外にも鈍感だったりして…)」
「どうかしたか?」
「ううん、何でもない!」
首を振り我に返る燐。
心の中でため息をついた。