†君、男~Memory.. limit of grief~
「さて、これで終わりかな」
午前3時。最後まで仕事をしていた燐。
生徒会室には燐だけしか
残っていなかった。
ファイルにプリントをしまい、
それを鞄に入れる。
ふぅ…とため息をつきながら
深く椅子に腰を掛けた。
その時扉が開き、
まだ残っていた朱鷺が入ってきた。
「あれ?まだ残ってんの?」
「あっ須藤!…えっとー
ちょうど今仕事が終わって休憩中。
もう帰るよ。須藤は?」
「俺も帰る。早く帰って寝たいし」
「そっか…」
少し落ち込む燐。
しぶしぶ鞄を持ち生徒会室を出ようとする。
「安井は何も予定ないの?」
「うん…別に何もないけど」
ふーん…と頷く朱鷺。
燐の表情は強張った。
「じゃぁさ、2つ向こうの駅の
商店街でクリスマスのイベントしてるみたいだから
それ見に行く?どうせ暇なんでしょ?」
「 うん、行く!
えっでも寝なくていいの?」
「別に―…どうせ俺も暇だし」
ワーイと嬉しそうに飛び跳ねる燐。
二人はその商店街へと向かった。
須藤とクリスマスのイベントに…
好きな人と過ごせる事が
凄い嬉しいな―――…
私の幸せが少しだけ見えた気がする。
レインは…大丈夫かな?