†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「すご…」
優介の友達が経営していると言われた店。
一般に見るレストランと
比べ物にならないほどハイカラだった。
「本当に私が来て良かったの?」
食事をとる中、恵は今になって
ここにいることが不安になってきていた。
優介は笑う。
「まだそんな事気にしてんのかよ」
「当たり前だ。
こういうとこ来たことない」
そわそわした様子の恵。
優介はただその姿をジーっと見ていた。
そんな時料理が運ばれてきた。
料理を運んできたのはその男性は
優介を見るなり目を丸くする。
「優介…?」
「?…あっ蓮二」
「知り合い?」
そう言うと優介はその男性を説明した。
「ほら、俺の友達がこの店を
経営してるって言っただろ?
その人。巴月蓮二(はづき れんじ)」
「あっ…初めまして、
蒼井恵です」
巴月は恵に顔を近づける。
真剣な目つきで見てきた。