†君、男~Memory.. limit of grief~
最後の桜を迎える時


「3学期の主な行事は
 三送会と卒業式。
 今日は三送会の話し合いだが…」


2年生もいよいよ最後の学期になった。
始業式を終えて2週間後。
久しぶりの生徒会会議が行われていた。


去年の三送会のプログラムを見る恵。
横にいた燐は恵の小声で話しかける。


「ねぇねぇ…ずーっと気になってたんだけど、
 イブの日先生とどうだったの?」


「…別に」


「あっ何か隠してる!」


恵は顔を逸らし苦笑いを浮かべる。


会議が終わった後
恵はそそくさと外に出る。荷物を置いて。



「優兄!…ちょっと話があるんだけど」


「じゃぁ屋上行く?」


そう言ってポケット鍵を出し
それを恵に見せる。


二人は屋上へと向かった。



< 288 / 482 >

この作品をシェア

pagetop