†君、男~Memory.. limit of grief~



「渡したらすぐ帰るから」


優介の仕事も終わり
二人は車に乗って恵の家に向かう。
どこか恵は落ち着きがなかった。


「さっきから何そわそわしてんの?」


「あっいや…何でもない」



何で…何でこんなにも
胸騒ぎがするんだ。


引っかかってるものが
今日来るとか限らないのに、
家に近づくにつれてどんどん
今もっている不安が押し寄せてくる。




“あいつ”と優兄を会わせたくない。





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