†君、男~Memory.. limit of grief~
◇
「わざわざありとうね」
珍しく(義理の)母親は休みだった。
もっと不安が大きくなる。
優介は頼まれていたものを渡し、
帰ろうとするが…
「優介君、良かったら
ご飯食べていかない?
今日あの子が来るのよ」
「あの子…?」
ビクッ!!
恵は背筋が凍ったように
青白い顔をしていた。
「レイン!」
恵が固まっているその時、
後ろから誰かが飛びつく。
燐じゃない…。瞬時にそう分かり
振り返る。恵は唖然とした。
「実也!?」
「久しぶりだな、レイン」