†君、男~Memory.. limit of grief~
エモーション
「従兄弟が家に?」
「そう。本当に邪魔だ」
次の日の学校で朝から
教室内で恵は燐に
昨日の事(愚痴)を零していた。
「へー…いろいろ大変だったんだね。
でも見てみたいな、レインの従兄弟」
「従兄弟って言っても
義理だけど…」
それでもいいの!と言って
恵とは正反対の表情。
とても浮かれていた。
そんな燐に水をさすような一言が出た。
「須藤はどうした?」
ピタ…と燐の動きは止まり、
表情が曇ったと思えば「何で!?」と叫んだ。
「何でって。好きじゃないの?」
「いやっうん…そうなんだけど。
突然言うからビックリして」
ハハハと明らかに作り笑いを浮かべる燐。
ふとクリスマスの話をし始めた。
「イブの日にね…2つ向こうの駅で
イベントやってたみたいだから行った。
凄い嬉しかったんだけどー…」
「けど?」
「それ以来上手く喋れなくて」
何で?と質問する恵だが
そういう気持ちならない?と
逆に質問されてしまう。
「好きな人だからこそ上手く喋れないんじゃない。
レインもいつか分かるよ。
…それよりずっと聞こう聞こうと思って
忘れてたんだけど、レインはイブどうだったの?」