†君、男~Memory.. limit of grief~




レインの歌を聴いて、
正直凄いとしか頭に思い浮かばなかった。
全てが伝わってくるような…
感情を吐き出してる。そんな感じがしたから。


テンポが速いのに
歌詞はとてもゆっくりで、
まるで時間のようだ。


私が朱鷺を好きになった事で
毎日が早く感じて、でも
1日1日は長くて…。
卒業が近づく事が怖い。



「遅かったな、帰ってくるの」


「ちょっと寄り道してただけだ」


玄関で靴を脱ぐ恵の後ろで
実也は話しかけてきていた。
その話を流すかのように会話を終了さす。


階段を1段上ったところで
恵は口を開いた。


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