†君、男~Memory.. limit of grief~

俺が始めて優介さんと会ったのは
俺が7歳の時だった。
レインの家に行った時が全ての始まりだ。


当時の俺は優介さんが
何よりも憧れだった。
こんな人になりといとそう思うばかり。


だからこそ、レインはそんな優介さんを
好きになったんだって納得した。


でも…あの日を境に
今までの考えは一瞬にして崩壊した。


雨の中倒れるレイン。
声を失った、その音を…


一度たりとも忘れた事などなかった。
忘れたくても忘れられなかったんだ。



“優兄―――!!!”



目を覚ましたレインは
たった一言だけ呟いた。


「…私は罪に塗れたんだ…」


どうしようもなく憎くて
怒りで感情がはち切れそうだった。



「でもね優介さん…
 レインは貴方の事ずっと想ってましたよ。
 決してその事を表に出す事はなかったけど」


ただ純粋に、ひたむきに想っていた
たった一人の少女の涙は
その泣いた分だけその気持ちは
壊れていっている。確実に。


彼女にはもう、時間がないんだ。


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