†君、男~Memory.. limit of grief~
「俺が取ってやろうか?」
自信有な表情。
恵は再び振り返る。
「得意なの?」
「あんまやらんけどな。
何か昔から結構出来てたから」
そんな事を言っている間に
すべてにぬいぐるみは運ばれていた。
「すごい」と横で呟く恵に「だろ?」と
自慢げに返してきた。
「どーぞ。また部屋に飾っとけよ」
「うん、ありがと」
ゲットしたぬいぐるみを
抱きしめる恵。その姿は普通の女の子と変わらない。
そんな恵を珍しいものを見たような
目で見る優介。クスッと笑みがこぼれた。
「何?」
「いや、別になにもない」
「そう…。あのさ、コレとってくれたお礼に
今日は私がご飯作るよ」
「えっ?」
「ほら、早く買い物いこ」
分けが分からず優介は恵について行く。
少しずつではあるが、
燐の予感は当たりつつある。