†君、男~Memory.. limit of grief~







「どーぞ」


優介の家に行き、
恵が作ったのはシチューだった。
一口食べる優介は首を傾げる。


「これ普段食べてるのと
 味か少し違う…。
 俺こっちの方が好きかも」


「ちょっと違う作り方でしてるから。
 家ではいつもそうしてるの」


へー…と頷きながら
がっつく優介。満足した笑みだった。


何事もなく食事を終えた二人。
台所で片づけをする横で
優介は疲れたのか、眠ってしまっていた。


洗いものが終わった恵は
辺りを見回し、部屋が二つあることに疑問を抱いていた。
一人暮らしに部屋が二つも必要なのか?
そう思い、まだ入ったことのない部屋の扉を
ゆっくりと開ける。そこは荷物が少し置かれた
物置みたいな状態だった。


扉を閉め、優介が寝ている事を確認し、
もう一つの部屋に入っていく。
以前倒れた時にいた部屋だった。


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