†君、男~Memory.. limit of grief~


「何もないか…」


何度見てもシンプルな部屋。
部屋を見てまわっていると
背表紙に“3年3組”と書かれた本が置いてあった。
恵はそれを取り出す。
“3年3組の仲!”と表紙には書かれ、
パラパラとめくるとそれはクラス紹介の
ようなものだと分かっていく。


すると恵はあるページで動きを止めた。


『クラスの男前ランキング』とある中に
優介は1位を取っていた。
同じように次のページでは
『クラスの美女ランキング』と出ている。
そこには“近藤 明美”と記されていた。


「…近藤明美。
 どこかで聞いた事あるな」



どこだ…どこで聞いた名前だ?


そんな昔の話じゃない。
ここ数年の―――…



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