†君、男~Memory.. limit of grief~

クラス表を見て、6組と確認した後
講堂へと先生に案内された。


「(さっきの子何組なんだろ?)


後で調べて分かったが、
残念な事に須藤は8組だった。


そして入学式以来
会うことなんてなく、ただすれ違う程度だった。
会話をするわけでもなく、ただ
見ていることしか出来なかったんだ。


そんな時、夏休み前に
先生から生徒会役員に入らないかと言う
話をもってこられ、正直最初は
やる気などなかった。でも…


「今候補があがってるのが
 3組の板谷、8組の須藤、2組の蒼井だ。
 板谷と須藤は決まっているが…どうだ?」


あの時の子も、レインも
候補に挙がってるんだ。
しかも須藤君は決まってる…。


私の答えはすぐに決まった。


「やります」


2回目の出会いは生徒会。
初めて生徒会会議に出た時
半年振りに喋った。


「安井も生徒会入ったんだな」


「(私の名前、覚えててくれてたんだ)
 うっうん。何か楽しそうだし」


話す事が、隣にいる事が
すごい嬉しくて…


私は気づいたの。


これが恋だってことに―――

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