†君、男~Memory.. limit of grief~


生徒会に入ってからというもの
私は須藤と話す機会が増えた。
クラスが違うかっただけに
生徒会の集まりがなによりも楽しみだった。


文化祭で須藤と受付になった時は
本当に嬉しかった。
でも、やっぱレインの事が気がかりで
それどころではなかったかもしれない。


話す事だけでも嬉しかった。
小さな幸せだったけど…
今の私にはそれもだんだん
なくなってきていた。



2年生は同じクラスになれて
話す機会もそれなりに増えたと思った。


「眠そうだな、お前」


「えっ!?」


授業中。思いっきり欠伸をしていた燐。
横で朱鷺は笑っていた。
燐の顔が赤くなる。


「いやっだって眠い…から」


「まっお前の気持ちも分かるけどな」


無邪気に笑う須藤が愛おしく思えた。




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