†君、男~Memory.. limit of grief~



「…?うん」


「あの日からずっと気になってた」


「       」


「前に言った俺のタイプ、
 お前だって気づいてない?」


「…えぇ!?」


悲鳴を上げた燐。
呆れた顔で朱鷺は見た。


「だって、勝ち気で人に弱いところ見せない人って
 全然違うじゃん、私と!」


「自分では分かってないだけだろ?
 お前、おもった以上に弱いし。
 けど人前では笑ってる。
 心ではいつも悩んでるくせに」


その通りですと言わんばかりの
表情になる燐。
朱鷺はさらに続けた。


「それに俺、もう一つタイプあるし」


「へ?」


「俺に迷惑かけない人」


「…?どう言う意味?」


離れかけた腕を掴みなおし
さらに朱鷺は燐の顔を近づけた。


「横にいて邪魔な奴は迷惑なだけだろ。
 けどお前は俺に迷惑をかけるより、
 一緒にいて安心する。
 たまに会話の中でさ、お前の名前出てくると
 腹が立つんだよね。…お前は
 そう言った人いない?」


「…ッいる。私、
 須藤の事――――…」


ちゃんと気持ちを伝える前に、
燐の口は塞がれてしまった。


「俺より先に言われるのは嫌だったから。
 好きだ。今みたいに逃げず 
 俺の傍にいてほしい」


「      」


そんなの、答えは決まってるよ。


「須藤の傍にいたいです…ッ」



それが私の望みだから、



傍にいたいです―――…。



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