†君、男~Memory.. limit of grief~
夏休み
「今日から夏休みだが、
みんな遊んでばっかは
駄目だからな」
7月20日。
終業式も終わり、
最後先生の話が各クラスで行われた。
「先生は何も
予定ないんですかー?」
「忙しくてそれどころじゃない」
疲れきったように優介は答えた。
女子生徒は不満の顔だ。
しかし朱音は別のことで頭がいっぱいだった。
それはこれから行く
オーロラ花火大会のこと。
早く終わってほしいと願うばかりだ。
「次会うのは登校日の日。
じゃ、これで終わりにする」
委員長の号令とともに
生徒達は教室を出て行く。
朱音は結菜と恵の手を引っ張って
急いで教室を出て行った。
恵は一瞬見えた優介の姿が
とても悲しく思えていた…。
登校日まで会えないかもしれないという
1ヶ月の長い悲しみだ。